糸島市 FP教室講師のブログ

FP社労士がファイナンシャルプランニングの学習を勧めたり、労務についてコメントするブログbyTWO-FACE社労士FP事務所(福岡市)-記事冒頭にプロフィールリンク

交渉の手法①

本日からは家計における経済活動の真骨頂とも言える「交渉」について、その手法を解説していきたいと思います。分量が多くなりそうなのでシリーズでお伝えしていこうと思います。 第一回目の今日は交渉の必要性と理想の交渉についてです。

 

交渉の必要性

交渉する夫婦

交渉とは自分に有利な条件を引き出すための駆け引きです。 交渉をする人として思い浮かぶのは、ビジネスマンや外交官、法律家、ネゴシエーターなどでしょうか。

しかし交渉は家計においても必須のスキルです。交渉に無防備なままでいるならば、 有利な条件を引き出すどころか、知らないうちに不利な条件を飲まされる場合が多々あるでしょう。

例えば不動産の購入。相場を知らずに提示された金額を鵜呑みにしていませんか。 例えば交通事故の被害。被害者であるのに十分な補償を得られなかったことありませんか。

確かに家計は交渉の余地のないパッケージ商品の取引の割合が高く、交渉は身近ではないかもしれません。 しかし、家計において交渉が必要になるのは上記のような重大な取引の時です。 より良い人生を送るためには交渉のスキルが必須ではないでしょうか。

戦う?その前に考えるべき理想の交渉

取引成立

交渉は戦いのイメージが強いのではないでしょうか。 一方が得すれば他方が損する。そんなゼロサムゲーム的な状況が多いのは確かに事実です。

しかし理想としては双方が得するアイディアです。 例えば、私は銀行員時代に住宅ローンの提案でそのような提案をしたことがありました。

あるお客様は私が勤めていた銀行のローン1千万円とフラット35のローン1千万円の合計2千万を借りていました。 そこでフラット35の分の借り換えを提案したのですが、従来その場合の借り換えの方法の定番は、 銀行ローンを新たに2千万円借りることで、銀行ローン1千万円とフラット35ローン1千万円を全額返済し、 結果銀行ローン2千万円に一本化するというものでした。

しかし、銀行ローンだけ見れば1千万円借りて1千万円返して、結果1千万円残るというスキームなので、 1千万円借りる分の登記費用と保証料15万円ほどが無駄にかかっていました。

そこで私は、銀行ローン1千万円はそのままにフラット35ローン1千万円だけを借り換える方法を調べ、 このスキームのメリット、デメリットを提案しました。 この提案によりお客様にとっては無駄な支出を抑えることができ、私にとってはお客様が他行を検討する可能性を0にすることができました。このスキームができるのはすでに1千万円の貸し出しがある私が勤めていたの銀行だけだったからです。 借り換え図 このように双方が得する方法があるならばそれが最善の手です。 自分が得したいと思っているように相手も得したいと思っているのですから、 結局は双方納得する条件でなければ取引は成立しないのです。

交渉をしようとする時には、相手を損させる手ではなく、まずは双方が得する手を探りましょう。 ローンの例では銀行員である私からの提案でしたが、これは客側から提案しても良いのですから。

交渉が始まった時には勝負がついている

そうはいっても双方が得する妙案というのはなかなか出てくるものではありません。 一方の得が他方の損というパターンになってしまうこと多いのではないでしょうか。 その場合には戦う交渉が必要になってきます。

戦うといってもけんか腰で声を荒げるのではありません。 知識と論理、さらには熱意によって相手が妥協できるぎりぎりの線を引き出すのです。

そしてその交渉は、実は大半が始まった時にはすでに勝負がついています。 知識、論理、情熱はその場でファインプレーが飛び出すことはまれで、 事前の準備が大半を占めるからです。

その事前の準備の中には相手との問答のシミュレーションが含まれます。 良い交渉の本番はシミュレーションをなぞるだけになっているはずなのです。

次回からは、その事前準備をどのようにすれば良いのかを見ていきます。

(福岡 東京)TWO FACE社労士FP事務所 社会保険労務士 蓑田隆介

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