福岡市 FP教室講師のブログ

FP社労士がファイナンシャルプランニングの学習を勧めたり、労務についてコメントするブログbyTWO-FACE社労士FP事務所(福岡市)-記事冒頭にプロフィールリンク

退職時のスケジュールと有給の放棄

f:id:taisyokuch:20160418181338p:plain

質問

こんにちは。 現在の仕事を退職しようと思っています。 この間、3ヶ月前に店長に伝えたところ有給消化あるからそんな早くは無理やない?と言われました。 現在、次の仕事も決まっており、7月10日までに退職したいと思っているのですが、 有給消化は破棄はできないのでしょうか? 会社は買い上げはしてないみたいなので… それでしたら、使わずに破棄して退職したいと思っています。 よろしくお願いします。

回答

有給を残したまま退職することは当然に可能です。

有給休暇の取得は在職中に使うことができる労働者の権利です。権利を使うか否かは、ご自身で判断することになります。

退職のスケジュール

退職のスケジュールを考えるときには、スケジュールの決定要因をリストアップして考えると整理がしやすくなります。本質問におけるスケジュールの決定要因は文中に出てきた順に、退職の申出日、有給休暇残日数、店長の希望スケジュール、退職希望日です。また引き継ぎの期間が暗に示されています。

 そのほかのスケジュールの決定要因として下記の民法の規定

 (期間の定めのある雇用の解除)

第六百二十六条  雇用の期間が五年を超え、又は雇用が当事者の一方若しくは第三者の終身の間継続すべきときは、当事者の一方は、五年を経過した後、いつでも契約の解除をすることができる。ただし、この期間は、商工業の見習を目的とする雇用については、十年とする。
 前項の規定により契約の解除をしようとするときは、三箇月前にその予告をしなければならない。
 
(期間の定めのない雇用の解約の申入れ)
第六百二十七条  当事者が雇用の期間を定めなかったときは、各当事者は、いつでも解約の申入れをすることができる。この場合において、雇用は、解約の申入れの日から二週間を経過することによって終了する。
 期間によって報酬を定めた場合には、解約の申入れは、次期以後についてすることができる。ただし、その解約の申入れは、当期の前半にしなければならない。
 六箇月以上の期間によって報酬を定めた場合には、前項の解約の申入れは、三箇月前にしなければならない。
 
(やむを得ない事由による雇用の解除)
第六百二十八条  当事者が雇用の期間を定めた場合であっても、やむを得ない事由があるときは、各当事者は、直ちに契約の解除をすることができる。この場合において、その事由が当事者の一方の過失によって生じたものであるときは、相手方に対して損害賠償の責任を負う。

 や、有給取得に関する就業規則の条文(申請の時期)などを考慮することになります。

 

有給がたまっている様子から質問者さんが正社員であると推測し仮定すると、質問者さんには民法627条が適用され、一項に該当する場合には退職日の2週間前に退職の申し入れをしなければなりません。それ以上の予告期間を設けるかは質問者さんの自由です。

有給の取得に関する申請時期のルールは、質問者さんの場合相当事前に申し出ているようなので関係なさそうですね。

個別の要因の詳細が分からないので、ベストな退職スケジュールをお伝えすることはできませんが、上記の要因を考慮し調整してください。

経営者がこの質問から学べること

経営者にとっては、有給の取得という自分の権利よりも店長の負担やお店のことを優先してくれる質問者のような方はとてもありがたいですね。店長と従業員の人間関係や必要十分な人員配置がうまくいっている結果だと思われます。

裏を返せば綱渡り的なぎりぎりの労務管理・人員配置ということもできます。経営者の都合を優先してくれない人が出てきたときの大きなリスクを抱えています。有給の計画的な取得や、労働者の理解が得られる現実的な退職までの予告期間の設定、労働者とのコミュニケーションなどがその対策として考えられます。

 

(福岡市)TWO FACE社労士FP事務所 社会保険労務士 蓑田隆介

f:id:taisyokuch:20160418133433p:plain

TWO FACE社労士FP事務所 社会保険労務士 蓑田隆介